2008年10月31日金曜日

紅葉呉器 もみじごき

呉器茶碗(*1)の一種で、特に釉中に紅色の鹿子斑(*2)が美しく出ているので、紅葉の名が生まれた。

胴部に、指跡や変化があり呉器茶碗中最も美しい。

この手の本歌はもと大徳寺にあったが、秀吉を経て柳営御物(*3)となった。

*1 ごきちゃわん
*2 かのこはん(窯変の一種で、黄色またはピンクの斑点)
*3 りゅうえいぎょぶつ

2008年10月24日金曜日

観世水 かんぜみず

名水の一つ。

京都市大宮今出川にある。

足利義満が観世太夫に与えた屋敷の内に在ったので、この名がある。

この井戸の水はいつも流水のように渦を巻いているので、渦巻きの水を『観世水』と称し、それを模様化したのが観世模様である。

2008年10月17日金曜日

よなが よなが

利休作の竹二重切(*1)花入。

園城寺(*2)、尺八とともに利休が小田原陣中で作った竹花入の一つ。

二重切花入の代表とされており、節と節との間が長く、節の間を「よ」と呼ぶことから、「よ」を「夜」にかけて「よなが」と命名された。

*1 にじゅうぎり
*2 おんじょうじ

2008年10月10日金曜日

芦屋釜 あしやがま

筑前国(福岡県)遠賀川河口の芦屋で鋳造された釜の総称。

創始の時期は、一説には鎌倉時代初期とあるが、正確な年代は明らかでない。

後に工人たちが全国に散逸し越前芦屋・播州芦屋・伊勢芦屋などの分派へと発展していった。

2008年10月3日金曜日

砂張 さはり

銅を主とし錫・鉛(銀)を加えた合金製のもの。

奈良時代の文献には『佐波理』とある。

古くから中国・朝鮮・東南アジア・中近東で広く用いられた。

桃山時代以降、茶人の間で花入・水指・建水などに用いられ、その滋潤な金肌の味わいを賞美した。